紺野昌彦のコラム・どこまでビジネスに経済学が必要か?

こんにちは紺野昌彦です。

現在タイのバンコクに滞在中です。
タイは今は雨期で数日に1度は雨(夕立)に見舞われる気候ですが、雨のおかげでやや涼しく過ごしやすいです。

バンコクに滞在中は、比較的時間にゆとりがあり、一日数時間パソコンに向かうことも可能で、ついつい自分の考えのまとめも兼ねてブログを書いています。
かつては毎日更新していたブログですがこのブログにリニューアルしてからは、時間が取れた時のみ更新する「ぐーたら」ぶりなので。。

先日、Facebookメッセンジャーで、コンサルタント業に経済学はどれくらい必要なのかを質問されました。
Facebookでの質問はよく受けることではありますが、ここでも書いておきたいと思います。もちろん紺野昌彦としての主観ではありますが。

最近は仕事に忙殺されているせいもあり、読書をする時間がほとんど取れていません。
せいぜい移動中にタブレットでニュースサイトなどを読むくらいでしょうか。

ですが元々が読書(実用系がほとんどで、自伝記やハウツー本は読みません)好きでもあり、多いときは年間で100冊から200冊の間は読んできました。
古い本は処分はしますが、今でも自宅の本棚には500から1000冊の間(数えた事はないので)はあると思います。(漫画はありません)

表題のコンサルタント業ですが、最近のFacebookを見る限りではは、このような業種がかなり増加していると思います。
中傷するつもりは全くありませんが、察するに他人のスキームを伝播するだけの行為や、その業種に短期間精通しただけの人も多いようにも感じます。

もちろん、何事もはじめはありますし、多くの方が経験を積む過程もあるでしょう。

さてコンサルタント業ですが、広義の意味では、専門知識を有している、広範囲の知識や経験から企業や事業の助言する、そして経営管理の技術やノウハウなどについて指導、助言をする業種を指します。

最近時おり「コンサル生」という表現を用いるところもあるようですが、基本そのような言葉も内容も形容も存在しません。

コンサルタント業はお客様から対価をもらい、その企業、事業を軌道に乗せる、収益を上げる、また必要とするスキームを定着させることろにあります。

このようなスキルを元にして時には中長期的に経営の改善や、増収に結びつける事を請け負う職業でしょう。

医療系やIT系など更に専門制の高いジャンルもあるでしょう。

時には僕(紺野昌彦個人として)もコンサル業も請け負うこともあります。
ですが、実はコンサルタントと名乗るのは、自分自身でも恥ずかしくて、名刺には一度も書いたことはありませんし、表現も滅多に使いません。

※一時期はコンサル業を本業にして企業コンサル、政策コンサルとして仕事をしていた時期もありましたが、その時もそうでした。

理由は、当時、事業コンサルにしても、請け負うその手の業種は、4,5件の会社しか実績がなかったり、数百万円をようやく1000万円台に乗せることが出来たとか、大きく胸を張れる実績も少なかったからです。

もちろんクライアントの中には10億円企業から数十億円企業もありましたが、そこで依頼された内容も、新規事業部署を立ち上げなどと、紺野昌彦にとっても初めての経験が多かったので、当然大きくプロとしての自負の元にトライする内容でなかったからでもありました。

さてさて前座が大変長くなりましたが、俗に言うコンサル業は、専門職の知識の以前に、基本的には経営学のベースが必要となるでしょう。
各種マネージメント、マーケティング、ロジスティックスな事です。当然バランスシートも見なくては行けないでしょうし、多少の税制の知識も必要だと思います。

貿易や投資に関しては為替に関する基礎知識も重要でしょうし、海外送金や海外金融についても一定以上の知識と情報は必要です。
また貿易に特化すれば、為替はもとより関税やそれぞれの国の税法なども多少なりとも必要です。また海外送料や空運、海運の知識が必要なのは言うまでもありません。

fxとかフィンテック系の金融でも、基本金融や、為替知識や金利計算、租税公課は基より海外ウォレットを使用した際のリスク、メリットだけではなく対外税制面での課税率計算や、それに伴うリスク知識なども当然持ち合わせ、それぞれクライアントに教示しなくてはいけないでしょう。

このように税制面から、物の原価や理数的な知識も必要となりますし、一般的なルーティンワークやビジネスの仕組みそのものも知っておく必要があるでしょう。
個人がクライアントでの場合も多いでしょうが、増収による法人化の為に多少の会社法についてや、その業態にとっての損益分岐点から考えた、法人化するタイミングや、税制面で分岐ラインも知っておかなくては行けません。

いわばコンサルと名乗る時点で一定のマルチでなくてはいけないと考えていますし、おそらくクライアント側もコンサルは多くの事例に精通している。そう感じているのではないでしょうか。

基本的に紺野昌彦としても決して完全ではないにしても、ややオールマイティーなので、飲食、物販、宿泊、旅行、貿易、不動産、金融、IT、開発、政治などのマーケティングやプロモーションをカバーしてきたので、苦手な分野があったとしても、幅広い友人関係を駆使したり、独自に勉強、応用しながら進めてきました。

質問の経済学ですが、基本的な日本や世界の経済の流れ、そして構造は知っておく必要があるでしょう。

また今後の流れや動向は見る力は基本構造を知っていなくては予見も出来ないでしょう。

そんな理由から経済史の流れからその潮流を知ることはかなり大切な要素と僕は感じています。
僕の場合は、今でこそ深くは覚えていませんが、古典経済学(アダムスミスやケインズの経済理論)からスタートしたのを覚えています。
時の経済政策が、その国の経済やビジネスにどのように影響してきたかを過去から時系列に知ることは、今後の流れなども、なんとなく直感で理解するにも大きく役立ちます。

貨幣制度の変化や、金本位制度がどのように無くなり、それがその後の経済にどのような影響をもたらしたのか、またプラザ合意はどのように世界経済に影響したのか、アジア通貨危機後のチェンマイイニシアチブ以降はアジアの金融経済はどう推移しているなど、知れば知るほど面白くもなってきますし、性質と潮流が見えて来るはずです。

世界金融危機の際にもいち早くV字回復した企業や業種も理解できますし、S&P500の性質もまたしかりです。

先ほど書いた、ケインズですが、一般的には世界経済はこの経済学者の理論の上で今も動いています。
アメリカもそうです。大戦前の世界大恐慌までは政府の経済介入は最小限に抑えるべきという考えのアダムスミスの経済理論が主流でした。古典派経済学的な経済思想です。それ以降は先に述べたケインズという統計経済、やや計画経済的な考えにシフトしました。
いわゆる国家の総需要管理政策です。
これらの理論の違いなどもよい参考になりますし、現在のマクロ経済の思考の基本を理解しやすいかもしれません。

ちなみにリーマンショックやサブプライム問題など、ムリのある金融工学で破綻した考え方や、小泉政権時代に一部採用された開放経済の新自由主義経済は、アダムスミスに回帰した考えで、ミルトンフリードマンというアメリカの経済学者の考え新自由経済に傾向していたりします。

このように何かを少し政策に反映されるだけで、大きく経済には影響しますし、直接自分のビジネスや、コンサルのクライアント事業の存続にも大きく影響するのです。

僕が後半に述べたのは経済学で、前半に述べたのは経営学なので、基本は違う学問です。ですが全ては繋がっているので、その両方を片通りだけでも知っておく必要があると常々考えています。

最たる流れはその両方(経済、経営)共に人の心、心理学までさかのぼるというのも頭においておいてください。
紙幣を考えたのも1500ccの人間の脳ですし、それを工学化した金融工学も人間の脳が作り上げ、売れる仕組み、買う真理も人間の脳が判断することなのです。
この一見難しそうな、経営学、経済学も全く人の購買心理などと変わらない性質なのです。

人が作り出した偶像でも、概念でもある紙幣、金利に関係して、人は時折は自らの命も絶ちますし、時には国家間の戦争にも発展します。これは全て人の作り上げた概念が、人の営みをも支配した結末です。

この巨大な意思を持った、経済という概念と上手く付き合うのも経営コンサルタントのお仕事だと僕は認識しています。

少し脱線しましたが、経済学の分類も多く、マクロ経済、ミクロ経済、情報経済、国際経済、数理経済、計量経済、行動経済、古典派経済、新古典派経済、マルクス経済、ケインズ経済などなど計り知れないくらいあるのです。
たぶんこれで3割くらいでしょうか。

今風のモダン経済としてまだまだ新しい経済理論も発表されていますし、どれが正解であるかは、実は答えはありません。

世の中に主流はあっても実は正解はないのです。

だから冒頭に書いたように感覚値で理解出来るように、常に勉強、情報収集は続けなくてはいけません。所詮は1500ccしかない人の脳では正解は導けないのですからね。判断するための材料です。
そして常に時代の変化に合わせて、自らが変化する既成概念にこだわらない体質作りも大切な要素なのかもしれません。ひょっとするとこの要素が一番大切かもしれません。

という事で、今の日本社会、そして世界経済はグローバリズムにさらされています。
アジア広域で見ると、日本はそれらの流れにかなり遅れているのかもしれませんが、ここ数年で大きく変化してきているのも紛れもない事実でしょう。

今もそうですが、今後はあらゆる分野は、ボーダレスなビジネス的発想に対する重要度は増しますし、世界の流れから日本の法整備が送れて調整される傾向も加味しないといけませんので、世界経済の動向を知るには必須と感じています。

日本は島国でガラパゴス経済の箱の中です。世界の潮流は遅れて入り込む地政学的マイナス点も大きく理解してほしいです。
日本の常識は世界の非常識ですからね。

めんどくさい事をだらだらと書いてしまいました。
紺野昌彦

 

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