紺野昌彦のコラム・世代による価値観の違い(1)
こんにちは紺野昌彦です。
僕はこれまで仕事の関係で、若手の起業家から、中堅から大手企業を経験した方、そして大手企業の創設に尽力した実業家まで幅広いお付き合いがあります。
一定のレベルに達している若手起業家や一般的な優良企業で務めた経験のある人は、先進的なビジネスロジックで、思考し、物事を組立てします。
マネージメント、マーケティング、ガバナンスともに共通する思考を元に、ビジネスの会話や、新たなスキーム創りなどに大きくシナジーを産む傾向があります。
それは常識や認識が同じまたは近い、世代が近いなどと非常に共通項も多く、価値観も近いのでスムーズということもあるでしょう。
世代の違いに批判というわけではありませんが、一世代、二世代先の会社経営者や実業家には大きな違いがあります。
旧体質の企業では、社員に対して売上の開示もなく、決算の開示もないところも多いです。
単なる作業員としての位置づけでしょう。いわゆるワンマンオーナー社長。
基本的には法人は公の存在であり、オーナー社長であっても事業は個人の所有物ではないのです。(本来は)
実際に過去にクライアント様としてお付き合いさせて頂いたとある企業がありました。(実在します)
この社長は、契約と異なる内容を毎度のように要求し、目の前のこと、そしてふと思った事などを次ぎから次へと要求してきます。
そして前日の打ち合わせ、前回の打ち合わせも、何があったのかは分かりませんが毎度の如くころころと変わります。これにより周りのスタッフや協力企業は、疲弊してしまうケースが相次いでいました。
今回書きたいのは、このようなワンマン企業の批判ではありません。
このような社長でもかなり大きな組織化に成功している、そして一定の実績がある方が多く、ロジカルでもなく、ひとつひとつ着実に積み上げるという定石ではなかったりするのです。
いろいろと観察すると、その中でいくつかの共通点がありました。
仕事で旧体質の経営改善、体質改善の仕事の一環でもあったのですが、先ほど書いた経営者肌の人が非常に多かったのですが、そんな経営者の方は、先だって合意したビジョンや計画が、気が付けばそれはなくなり消滅し、次の興味に移っているのです。
これら全てが共通する項目でもあるのですが、まとめると「手当たり次第にビジネス展開(可能性)を考える」「一定以上に事業を軌道に載せた経緯がある」「計画的ではなく独走的」始めては、お付き合いした最初の社長さんの特徴なんだなと感じていたのですが、それが1人、2人、3人と増え続けています。大小差がありますが結構な数の方がいらっしゃいました。
もちろん若い世代にも見られるのですが、圧倒的に年配の実業家に多く見られます。
以前に紺野昌彦オフィシャルブログで経営管理理論について簡単に書いたのですが、旧体質の地方の企業に対する、遠まわしの批判を含めて書きました。企業ではなく家業だと。経営方針、中長期的な計画もしかりですが、原則官報やWEB上での記載も定款に記すのも一般的ですよね。それも我関せずのこの旧的な思考を元に経営する、ローカル、ロートルな手法に批判的に書いたのですが、その手法がよいか悪いかは別として、最近気付いたことが一つあります。
それはなぜなんだろうか?
と自問自答していたのですが、複数の仮説が立ったのですが、これに尽きるなと感じたことがありました。
私が感じた経営者、実業家の大半の方が、当時70代、80代で、戦後の物資難、焦土と化した場所での起業がスタート点ということでした。
ここには計画や長期的な視点ではなく、今を生きることが最大の目的である状況下で、目の前のもの、右にある、左にあるもので、その日の糧、それだけで一代で財を作り上げた過程が大きな共通点だなと。とある社長さんは、「今あるもので何でも考えられるからそれで初めてくれ」「目の前のものが全てチャンス」と言って販促費用や、商品開発費用などは計上してくれません。
その人たちの経験してきた経緯を仮説し微分積分した結果、今ではそれは納得の行く思考なんだなとも思えてしまいます。
ようするにゼロからイチを生み続けた実業家人生だったのでしょう。
目の前のに落ちているトタン、近くに転がっている板や木材、それらを手当たり次第にかき集めて立てた建物で、まわりにあったものを売って、またその中で無い物を見つけ出しては作り出して、ビジネスを作り上げて来たわけですから。その時々が全てその時の思考、その時前にあるものでの判断で、家業から企業そして実業まで達しているのですからね。
その独創で結果を生んだ事実もまぎれも無い事実ですから。
僕達世代もしくはそれ以下の世代は、世間ではほとんどのものが出来上がった社会の中に生を受け、そして世の中の大半に「当たりまえ」という「常識」が備えられた上での経験しかしていません。
基本的なロジックであり、経営に関する常識や理念であったり、様々なデータや資料、これを引用し、データを読み取り、Webで検索し先を見る思考と大きく違って当然なのかしれません。
かつては理論、物資、流通なにも無いわけですから。。
これだから古い企業は。。。という考え方にも少し違ってたなと感じて少し反省しまいました。
今のビジネスのロジックやスキームは、今の時代だからこそ言えることであり、過去からの経済運動の継続があったからこそ、今の当たり前が生まれ、それをベースに今そして、今後の斬新なアイデアであったり、新たなビジョンが生まれてくるのだなと。
これは今の時代にも十分なヒントであり、この独創こそが新たなマーケットを生む起点でもあると。
数日前のブログ記事で、スピードの加速化、そして新たなジャンルの出現「フィンテック」「エアービーアンドビー」に代表するようにここ数年で出てきた巨額の動くジャンルもあるわけです。この新ジャンルへのトライは先人の知恵、バイタリティーこそ必要な条件なのかもしれません。
「野生の感」「嗅覚」「独創」で次のチャンス、新たなマーケットを生み出している過程だったりするのが、彼らの思考だったりするのだなと。
もちろん時代に合わせて進化し続けることは重要なことであり、それを怠った企業は規模を失い失速し、時には競争社会の中で廃業や倒産という結果にもつながります。
自分で言うのも何なのですが、僕こと紺野昌彦も幸い僕も独創的であり、一般とはかなり逸脱したバイタリティーと発想力があるようで、そのハングリー精神は、今の経済を作り上げた緒先輩方にそれなりに喜ばれ長方がられています。
根本を掘り下げて考えそれを理解する。そうすれば多くの問題が解決し、そして新たなビジョンが生まれるのです。
紺野昌彦記事