変革の広域化の中で

現在私は、1カ国に1週間から10日の割合で月に3カ国前後の国を移動しながらの生活。

いろいろな国を見ていると、過去と比べると今のグローバル化は国ごとの格差を大きく是正しつつあり、同時にかつての超大国は行き止まり、これまでの後進国は大きく経済成長と、世界経済のグローバル化の加速はそれぞれの国に大きな変化をもたらしている。

日本のインバウンド増も形を変えて現れたひとつの現象で、隣国の個人所得の増加が大きく広域な移動人口に影響を与え人々の活動範囲やビジネス、投資環境も大きく拡大しつつある。

時代が変わるときは大きく仕組みも変わる。
織田信長が室町体質の日本の慣例や寺社仏閣の権力を削ぎ国内の関所を廃し楽市楽座を敷いたのは言わば国内のグローバル化に大きく貢献し、新たな時代の幕開けとなった。

また明治維新ではそれまでの江戸幕府のもたらした秩序、農耕型国家から近代化に変革し、武家政治、封建政治を根本から覆し朝廷の権勢構造までも覆し、言わば庶民が中心の政治にシフトにつながった。要するに時代それぞれに保守という立場の過去の遺物という権力構造が大きく崩れ去るのが共通する特徴。
今の政治の革新という政治的な意味とは異なる部分もあるが、本来は革新勢力が旧体制を壊し、新たな時代を切り開いて来たのが日本の歴史そのもの。(今の日本では完全に逆の現象で、革新政党が過去の保守政治の保護政策を守ったり、体質の古い保守体制が新時代を作ろうとしたりと歪な構造になっているようにも感じる)

今の時代も大きく変革の時を迎えていると言われて既に数年が過ぎているが、IT化の急成長で世界のグローバル化は加速し、ここ30年は過去と比べ物にならない時代の早さだったのかもしれない。
この時代の流れの変化は江戸から明治に匹敵するのかもしれない。ただこの急速に変わる時代の中、かつては政治の構造も大きく変わった背景があったが、今の日本はこの急加速に対して政治だけが従来の時間軸で残されているのが現状に思えてしまう。

これは法治国家の所以でもあるのかもしれない。
アラブ諸国などはここ何年かで大きく政治にも変革をもたらしてきた。またもう少し前には旧共産圏の崩壊など数多くの国が旧体制と決別している。

経済や人の動きがかつてよりさらに広域化し、経済構造自体も広域化した時代の先に何が必要とされどこを見て進むべきか複数の国を見て比較できる生活をしている私の現状でもようやくうっすらと前が見える程度。

良い意味でも悪い意味でも一寸先は闇。

情報のコモディティ化は人々により高いリテラシーを要求し、今後はさらなる嗅覚を研ぎ澄ますことが必要になりそうだ。
人やメディアに頼らない情報の判断。

現在私は香港に滞在中なので、香港は人口が800万人弱の小さな国だが投機マネーは東京の6倍の資本が集まり、香港政庁のプライマリーバランスは完全な黒字。
税率は低くい。そのかわり個人の責任が重視される社会なので社会保障は厚くはない。人の判断と人の選択がそれぞれの人生に大きく左右される。
非常にいいサイズの国で(一国二制度なのであえて国と書きました)本来なら社会保障も十分なプライマリーバランスなのだが、大きな社会保障には頼らない独特な政策がある意味香港の大きな強みなのかもしれない。

経済でみると言わば地方を持たない東京と行ったイメージ。
ここ香港に来るといろいろと考えさせられる。

紺野昌彦

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