外資の取り込みこそ重要なファクター

こんにちは紺野昌彦です。

日本は現在インバウンドの増加の最中です。
結果として日本のアベレージを多くの他国民に知ってもらい、知日派、親日派もインバウンドの増加率に比例して増え続けているでしょう。
2020年には東京でオリンピック、そして2025年に大阪万博、同年を目安としてIR統合型リゾートの開業と日本のインバウンドはまだまだ増加する国際イベントが続きます。
今回のブログは長く複雑になりますが、中国人を含む外国人が国内不動産を購入するのを嫌がる日本人がかなり多く存在します。ひょっとすると外国人そのものを嫌がる傾向が日本にはあるのでしょう。ですが世界的に流動人口が増加する以上、グローバル化は絶対に無視もできませんし避けることも決してできません。既にその渦中にあるのです。ここは感情論ではなく外資や外貨を呼び込むのは、当たり前の事でもあるのも理解して欲しいからです。

オリンピックや万博とカジノの比較

早速脱線ではありますが、オリンピックや万博は一定以上規模でのインフラ投資は行われますが、大半が税金で賄われるまた、国内産業の支出で賄われる事業投資が大半でしょう。ですが、IR統合型リゾートいわゆる日本版カジノは現在の流れでは、ほぼ大半が外資系企業が自国より外貨を日本国内に持ち込み、抱え込んでいるグローバル顧客を送客してくるところが、前者のオリンピックや万博と異なるところです。

ちなみオリンピックの予算規模は元々は7000億円だったのが、現在は3兆円に膨れ上がったと言われていますが、基本的にはこれらは税金です。

一方IR統合型リゾートは、現在までの試算や報道では、平均で一施設で1兆円にはなるだろうと言われています。

その1兆円規模施設も2021年のライセンス交付で3都市、2025年に2都市と言われていますので、オリンピックとほぼ同額のインフラ投資が日本国内にもたらされます。それも今回は税金ではなく、ほとんどが外貨でです。この経済派生効果は計り知れないものがあるでしょう。

さらに余談にはなりますが、「そのマーケットって日本人でしょ?」って思っている皆さんそうではありません。

海外のカジノ企業の大半は、売上の80%以上が既に抱え込んでいる上位3%VIP顧客で賄えているのです。要するに残り97%のお客さんで20%程度しか売上には至らないのです。それでも外国企業が日本のIRに参入を希望するのは、それぞれのカジノ企業が抱き込んでいるリスト化したVIP顧客を、富裕層に人気のある単価の高い日本に送客したいからなのです。
嘘じゃありませんよ。僕も外資系カジノ企業の役員を4年努めています。

これを話したのは、いかに外資と外貨が国内経済に重要で、そして必要なのかと理解して頂きたいからです。

外国人が不動産を購入する外国の事例

僕のメインの自宅のあるタイのバンコクは諸外国人で溢れかえっています。
ほとんどの銀行のATMは、英語は当然のこと日本語までも表示されます。バンコク都内には日本人の経営する飲食店だけでも2000店舗はあると言われており、大手まで含めると1万社近い日系企業が進出しています。ちなみに中国には現在3万2000社の日本企業が進出しています。海外に住む日本人の数は2018年で約135万人です。

当然タイに住む日本人も多く、日本大使館に登録しているだけでも8万人弱で、ビザラン(滞在期間が過ぎそうになると隣国に一時的に出国して、またタイに戻るケース)などでの滞在者を合わせるとおそらくは10万人を超えるかもしれません。参考までに中国に住む日本人は12万人です。

ちなみにタイは外国人でも比較的簡単に区分所有の不動産は購入できます。パスポートと購入する外貨を送金した証明で。
もちろんマレーシアもカンボジアもミャンマーもベトナムも購入できます。このように書きましたが新興国は外国人に自国の不動産の購入を認めるようになったのはここ最近です。
欧米諸国や日本など先進国は、法整備もしっかりとしているのもあり、外国人はどこでも土地も物件も購入できるのが一般的で当たり前です。

途上国や新興国は、外貨、いわゆる外国資本の国内への呼び込み的な政策もあり、国力の経済拡充を見て段階的に判断して、外資の参入ハードルを下げるの一般的なケースでしょう。インドネシアに関しては2015年に外国人の不動産の取得(使用権などと若干複雑ですが)を認めたばかりです。ベトナムも2015年。ミャンマーは2016年などなど。

それには床面積の49%未満しか外国資本は登記できない、戸数の30%までしか外国人は購入できないなどと、国によりハードルは異なります。

また国によっては積極的に移民や長期滞在を認め誘致するところも数多くあります。
マレーシアもフィリピンも一定の条件を満たすと永住ビザを取得できますし、タイでも50歳以上で一定の貯金額を提示できればリタイアメントビザでスローライフを楽しめます。

外国人の日本の不動産購入の実態と効果

中国人の日本不動産の買い占める

↑↑↑↑
これは以前に書いたブログ記事です。
中国人が日本の不動産を買っている実情について書いたものです。

巷で「中国人が日本の水源地を買っている」「中国人が北海道の土地を買い占めている」という論調がありますが、実際に足を運んで調べましたがそうではないということを書いています。そして前述に中国には約3万2000社を超える日本企業が日本より投資を行って工場を作り、操業しているのですがこの比率に比べると、中国人や中国企業の日本への投資水準はまだまだ雲泥の差もあります。安全保障上、同額もしくはそれ以上の日本への中国資本の投下があってイーブンであることにも触れています。
名義を飛ばすのも含め、僕が調査をしている限り報道ほど多くはないのが実情です。

北海道でも多くの中国人が不動産を買いに来ている?

実際にニセコや留寿都、キロロなど北海道でも外国人に人気のエリアを実際に足を運んで調べています。
現地の外国人向け不動産業者、外国語の話せる司法書士(同エリアには数名のみ)などヒアリングしていますが、中国人と思いきや大半がシンガポール、香港、台湾、マレー人華僑でした。

地元の人が今日も中国人がレンタカーで来ていた。
はい残念。中国人は日本では車の運転は法律上できません。よってレンタカーも法的に借りれません。もちろん違法創業のレンタカー屋などが一部貸している例もあるでしょうが、これだけの中国人の中でもその例はほんの一部でしょう。

中国の運転免許、国際運転免許で日本の公道を走れないのは、中国がジュネーブ条約に加入していないので、原則として不可能なのです。

レンタカーナンバーで、来てる中国を話すグループのほとんが、シンガポール人、香港人、台湾人、マレー系華僑でしょう。
北京語、広東語を聞いただけで中国人と一括りしているのが実情かと。

もちろん中国人や中華系企業で北海道のスキーリゾートを買収している例もありますし、かつてと比べると多くはなりましたがまだまだ全体のウエイトは多くすらありません。なんども言いますが多くはシンガポール、香港、台湾でしょう。

人口減少の日本

日本は多くの皆さんがご存知のように少子高齢化の影響で、人口が減少期に入っています。
この影響は都市部より地方の方が顕著でしょう。
地価が安定しているのは大都市都市部のみで、地方都市に至っては地価下落や空家件数なども急激に増加しているのもご存知でしょう。

中国人を含める外国人が日本の山間部や寒村で、不動産を取得し始めていのは事実でしょう。
ですが、中国人が日本不動産を買い占める。で書いたようにそもそも土地の書いての付かない安価な土地に倍から数倍の価格で、しかも外貨で買ってくれることは、事実上願ったり叶っただとも思えます。

地方自治体で捉えてみましょう。

地方自治体の税金は、簡単に分けると以下の通りです。

        地 方 財 源
市町村税
軽自動車税
固定資産税
市町村たばこ税
入湯税
その他条例等で制定した歳入

こんな程度です。
地方の寒村で少子高齢化で人口が減少して、労働人口が都市部に吸収され、農地も後継者不足で休耕地化している現状では地価は下がり続けます。
この2つの要素でも、市町村に入る、市町村税、固定資産税は減収に落ちるでしょう。

いい悪い、嫌だは別にして、外国人に脚光を浴びている北海道のニセコ町などは、地価の大幅な上昇で地方自治体に入る固定資産税は増加し、入湯税その他の税収も安定の上昇を持続しています。当然リゾート施設の増加から一時的であれ住民票の移転による市町村税の増加もあるでしょう。
本来発生しなかった、土地売却の臨時収入も地権者にあるわけで、所得税として国に納付する額も上がります。また外国人が買った土地にも新築で別荘建築などもおこりますから一定期間は継続した投資が見込まれます。

また外国人が不動産を取得するには、住民登録、印鑑証明の登録と給付が不可欠であり、結果取得のために住民登録をすると、当然ながら税収が発生するのです。
万一、外国人がほったらかし納税しなかった場合は、極論で言うと行政代執行で土地資産を差し押さえて競売を行い、滞納金を納付することになるでしょう。

結果として、北海道のニセコや、留寿都、長野県の白馬をはじめとするエリアは、それを行政も地権者も暗黙で容認しているからこそ今の現状に至っているのではないでしょうか。

第三者が買って転売で中国人に売っている。

もちろんそれもあるでしょう。
ただ実際に売り地を買い込み販売してるのが、上記で参考で出したような外国人向けの不動産業者や土地ブローカーでしょう。
前述のとおり実際に複数回足を運んで聞いてきましたが、それでもメインランド中国人の買い付け例はまだまだ少ないのです。いくつかの紙面で書いている中国人というのは、シンガポール人、香港人、台湾人、マレー系華僑が大半なのです。(北海道と長野県、山梨県の例)

流入外国人労働者

さてさて日本でも多くの外国人労働者の姿を見るようになりました。
コンビニなどでは既に当たり前の光景でしょう。
2019年の春には外国人労働者に関する法律も緩和され今後は益々外国人労働者の数が増加するでしょう。

この背景は当然ながら少子高齢化と日本の極度な労働者不足が原因と言っても過言ではないでしょう。

そのうちAI化が進み無人でロボットが操業する?
これって現実的でしょうか?もちろん一部のエリアでは無人バスや、工場のオートメーション化は進むことは間違いないでしょう。レジの一部無人化や、労働力が少なく済む方法にシフトすることもあるでしょう。

ですが、これを可能な限りロボット化はありえないと考えています。
その理由はこれこそ国の財源だからです。今度は国です。

外国人であろうと何であれ、日本で働けば源泉徴収制度で給料から自動で所得税や、社会保険料や厚生年金が差し引かれるのは皆さんもご存知でしょう。
これこそ法人課税より根幹なのです。

少子高齢化で労働力が減少する。イコール源泉徴収で上がる税収が激減するのです。
こんなことからも、労働力不足の緩和のために、日本の外国人労働者の受け入れいが加速されている側面もあるのです。

日本の企業は税金を納めていませんからね。。

もちろん納税していないには様々な理由があるでしょう。
故意に内部留保として出さない、過去の不況時の精算が済んでいない。連結子会社が複数存在し実際は関節課税で払っているが、法人所得税が払ってないように見える。などなど実際はどうかわからないにせよ、日本の大企業が収める税金の額が、規模から見てはるかに少ないのは周知の事実でしょう。

たとえば、税負担率の低い大企業1位として過去に報道のあった三井住友フィナンシャルグループは、税引前純利益1479億8500万円であるにもかかわらず、法人税等支払額はなんと300万円でした。実効税負担率は0.002%にすぎません。。

また税負担率の低い大企業2位のソフトバンクは税引前純利益788億8500万円をあげながら、法人税等支払額は500万円です。その辺の中小企業の社長の個人所得税の方が高いかもしれません。ここも実効税負担率は0.006%です。

これらは氷山の一角で大企業になるだけそんな感じの一例でしょう。

ですが消費税などの間接税や、雇用数からの源泉納税は大きいでしょう。

こんなことから見ても、外国人が多く来る、労働をしてくれる、また不動産を取得してくれるのは、メリットの方が断然大きいと思うところです。

都市別、地方自治体別の取得競争

僕には何人か師たる人がいたのですが、そのうちの1人が過去に言っていました。
それも10年ほど前にです。
日本も世界もそうだけど、これからはこれまで以上に市町村同士での人口獲得や、産業獲得が熾烈になるだろうね。と。
それができない地方自治体は死に体になるな。と。今まさにそのとおりだなと思います。

うちの地域には外国人は来て欲しくない。

うちの村は外国人に土地を売って欲しくない。

中国人には来て欲しくない。

その気持ちはわからないないではありません。でも無意味な感情論じゃどこかの反体政党と同じでしょう。
それが嫌なら上記のような経済政策や対策、税収安定、雇用や継承を生む方法も同時に考え実行するのも必要なのです。
5年、10年先じゃダメなんですよ。来年、再来年じゃなきゃ手が付けれなくなりますよ。

地方自治体の破綻は今後はかなり増加するでしょうから。

それでも世界人口は増加しているのです。

紺野昌彦

ニセコ、比羅夫

ニセコ、比羅夫コンドミニアム

記事を誰かにシェアして頂けると嬉しいです

あわせて読みたい