暗号通貨バブルと税収の相関関係・紺野昌彦のコラム
暗号通貨バブルと税収の相関関係・紺野昌彦のコラム
こんにちは紺野昌彦です。
昨年から暗号通貨に関するバブリーな話をよく聞くようになりました。
もちろんそれは噂というものではなく、直接の友人や、また友人の友人など極めて距離の近い人たちからで決して噂ではない域から。
中には最大2000億円、それに続いていは700億円、小ぶりなのでも3億円から5億円は数十人単位で居るのが恐ろしいくらいです。
バブルとしか言いようがありませんが、情報弱者がここに含まれないのは言うまでもありません。
否定こそしませんが、元々僕は暗号通貨に関してはやや懐疑的な人間でもあったのもあり、実は積極参入はしていません。
ただ立場上、モノホンの投資家や機関投資家などとの付き合いがかなり多く、これまでに入ってきた情報は、それなりに多く今思えば乗っていればと思う案件ばかり。ビットコインも創生期には話をもらっていました。
現在トップクラスで君臨する暗号通貨の上位のほとんどが、その創生期に話が舞い込んで来たのを今でも鮮明に覚えています。
結果的に見れば、かなり多くの情報に触れていながら、実はそれに乗らなかったので、当然ながら僕自身は暗号通貨の世界では勝ち組にはなっていないというのが実情。
ただし乗り遅れた感を取り戻そうという思いもあったり、もういいやと思う自分がいたりと複雑な心境です。(少しは勝ちアリですが前述の彼らの域ではありません)
僕自身が生半可に収入もあり、資産状態も良であったが新たなマーケットに魅力を感じずに、新興マーケットへの参入に僕の足を引張っていたのでしょう。
さて余談はここまでにして、暗号通貨に関しては多くの情報が入り続けています。
毎週のように新たなICO案件もその大元から話が入ってきたり、友人が役員を務める上場企業が計画するICO案件や、上場企業系の暗号通貨取引所の持つ案件であったりと情報ソースの信頼性は高くまた、情報ルートも多岐に渡ります。(facebookに証拠となる画像も多くUPしています)もちろん友人伝えに来る出処不明の情報も多く、都度精査はしているのですが、これがまた以外に普通に面白い案件なども多かったりします。
これは日本では暗号通貨の自由度は高いと言われている背景もあるでしょう。また日本がテストマーケットとして使われているという都市伝説も聞いたこともあるでしょう。
それも後押しして今では、暗号通貨が形成するマーケットシェアの5割は日本人ではないでしょうか?(かつては中国でしたが)
※中国や韓国では昨年に大きく規制が入ったりもしています。
さてそんな背景で暗号通貨のこの先はどうなのだろうとふと考えてみました。もちろん正式な検証はこれからで思いついたままメモ代わりに書いた程度です。
いくつかのポイントでまとめてみました。
1)日本人の金融資産額
現在日本人の持つ金融資産は約1800兆円と言われています。それに対して暗号通貨マーケットは約60兆円。このうち日本人の持つ暗号通貨は40兆円と仮定しましょう。
日本人の保有する金融資産の内訳は、約1000兆円が銀行や郵貯などの預貯金となり、のこり800兆円は株や保険などの金融商品との内訳。
ではこの新興の暗号通貨市場へは、どこのからの資産の流出が高かったのか?
安易な考えれはおそらくは預貯金からの流入でしょう。
実質、1000兆円の日本人の個人の資質の持つ預貯金のうち、4%が暗号通貨にシフトしたイメージで捉えてみると、日本の金融庁、国税庁、いわゆる国としてどのような影響があるのかが今後の流れを占う一つの要素となるのではないでしょうか。
日本は多くの皆さんがご存知のように、財政的には決して安定しているとは言い難い状況でもあり、赤字国債の発行額がやがて1000兆円には手が届きます。
おそらくこの額に達するのは来年2019年でしょう。これは国民の借金と言われていますが、この日本の発行する国債は誰が買っているのかが、重要な一つ目のポイントとなります。
米国債の場合は、外国政府や金融機関などが購入するケースが多いのですが、日本の国債の場合は日本の銀行、郵貯、保険会社などの金融機関が大きな引き受け先になっています。ほぼ義務付けに近い形で日本政府から国債を引き受けています。
紺野昌彦の参考関連記事
これは当然ながら銀行等の金融機関が、日本人個人から預かる預貯金や、保険の場合は積立される預入資産が、国債購入の原資として当てられているのですが、既にその預貯金額となる額面は、国債の発行総額に到達する域にまで達しつつあります。(もうちょい余力はありますが)
この状況から、やがてMAXになる国債発行原資の補填として、税収の確保の意味もあり、国外財産調書制度(海外にある日本人の持つ資産)に対する課税チェックや、CRS制度(海外の銀行口座にある日本人の預金の情報収集)などが出てきたと言っても過言ではないでしょう。
その背景のひとつとして、日本人(個人や企業)が持つ海外資産も約900兆円にも達し、海外にある日本人の資産(対外債務、対外純資産)は日本国内の預貯金に匹敵する額にに達しているので、課税強化を図っているように僕は感じています。ただこの対外資産は国債発行の原資にはなりません。(海外銀行預金や海外証券、海外不動産などですので)
2)暗号通貨のマーケット規模
さてここで暗号通貨の話に戻りましょう。
暗号通貨マーケットは新興市場でもあり、現在ようやく市場規模が60兆円に達したばかり。
一説では将来は1000兆円マーケットにまで成長するとも言われています。
仮にその1000兆円が実現したと考えると、果たして日本人の持つマーケットシェアはどれくらいになるのでしょうか?
仮に500兆円くらいが日本で形成されるマーケットと考えると、このうち外国市場からの資本流入と日本人個人の形成する資産の対比はどれくらいになるのか。ここが大きな争点、もしくは転機点になるのではと感じています。
海外の暗号通貨リテラシーもマーケット規模の醸成と共に成長するのであれば、逆に日本に海外からの見込み資産が増加することも考えられるでしょう。
ただ爆発的なブームメントなのは日本をはじめとする一部の国であるのも実際の状況でしょう。
この傾向で仮りに考えると500兆円、800兆円とマーケット規模が成長すれば、日本人の持つマーケットシェアは40%、50%と極めて大きくなることも予想されます。
そうなると預貯金などから暗号通貨への資産移動が増加し、日本人の金融資産の内訳の中で暗号通貨は250兆円、400兆円と極めて高いシェアとポジションを取ることになりますが、そうなると暗号通貨は、国の発行する国債の原資にならなくなり、国債原資となる預貯金、保険などのシェアは減少し、国は何らかの規制や対策を発するという対策を取るでしょう。
3)暗号通貨の課税状況
さてここで暗号通貨の課税ということにも触れてみたいと思います。
2017年の12月に国税庁は暗号通貨の課税に対するガイドラインを発表しました。
仮想通貨(暗号通貨)にかかる税金は、所得税・都道府県民税・市区町村民税の3種類です。
1月~12月の間に利確したトータル金額から原資を差し引いた金額が利益になります。
コインからコインに移動させた際など利益確定の基準も出され、その時点の確定利益が課税対象となるようで、その税率も以下のような数字になっています。
仮想通貨の確定益 | 税率 |
195万円以下 | 約15% |
195万円を超え 330万円以下 | 約20% |
330万円を超え 695万円以下 | 約30% |
695万円を超え 900万円以下 | 約33% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 約43% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 約47% |
4,000万円超 | 約51% |
主な項目
1.仮想通貨を売却した場合
2.仮想通貨で商品を購入した場合
3.仮想通貨と仮想通貨の交換(ビットコインでアルトコイン購入)
4.仮想通貨の取得価額
5.仮想通貨の分裂(ビットコインがハードフォークした場合など)
6.仮想通貨に関する所得の所得区分(雑所得以外に区分される場合の紹介)
7.損失の取扱い(他の所得と通算は出来ない)
8.仮想通貨の証拠金取引(FXと同様の申告分離課税の適用は無く、総合課税により申告)
9.仮想通貨のマイニング等(事業所得又は雑所得の対象となる)
ここでのポイントは、これまでは静かな預貯金だった日本人個人の金融資産が暗号通貨の流行、発展と共にアクティブになった事が挙げられます。
というのは、これまで預貯金の金利にしか課税がなされなかったのに対し、預貯金が暗号通貨に移行しアクティブ化したことにより個人の金融資産に大きく課税できるようにもなったことです。国としてはいづれは償還しないと行けない国債と比べて、暗号通貨マーケットで新たに発生する税収に期待が持てるのかもしれません。
国債発行としての原資なのか、暗号通貨への税収規模なのか。
ここも国の判断(規制等)の基準になるのは間違いないでしょう。
このように仮設を立てて検証していると、どうも税収としての方が国にはメリットが高そうで、日本人の資産の海外流出を防ぐ手立てもここ数年で急加速しており、行き場の少なくなった国内金融資産の行き場となった暗号通貨が、国内で発生した新たな課税財源として成長するように、あえて野放しにしているようにも思えてなりません。
いわば国に仕組まれているイメージ。
あくまでふと思った事を書き綴っただけのことなので、詳しい検証は後日計算してみようと思います。
※こんなことばかり考えているので、資産を大きく形成するチャンスがありながら乗り遅れて小金でとどまったのでしょうねw
紺野昌彦
年末にプライベートジェットをチャーターしたときの様子。
紺野昌彦のメディア取材対談記事
紺野昌彦のメディア取材対談記事
紺野昌彦のメディアインタビュー記事