タイ株式市場狙いはこれから
タイ株式市場ねらいはこれから
ASEAN(AEC)誕生を目前としたASEAN(AEC)各国。
中でもタイ王国が覇権を握る可能性が高い。タイは現在軍事政権で政情不安を擁しているが、インフラの整備状況や外国企業を中心とした産業蓄積では他国に勝り、ASEAN(AEC)内でのGDP規模は3位に位置している。
さらには地政学的な優位は見逃せいないポイントで、現在経済成長中のミャンマー、カンボジアとは広大な距離の国境を面しており、これらの国々の発展はタイの成長の支えにもなり、ウィークポイントとなる失業率が1%という労働力不足の供給元にもなる。
ASEAN(AEC)の経済統合では同時に加盟国全てがその恩恵を受けるだろうが、シンガポールはすでに先進国であるのと、人口規模で小国。マレーシアも先進国に近いポジションでありながら、宗教を含んだ政治的不透明さがある。そのうえマレーシア航空の墜落もまだその余波の渦中だ。また株式傾向から見ると、石油産業も多くここ数年の原油価格の下落の影を落としている。
このようにASEAN(AEC)先進国の3国からの中ではタイは優位なポジションと考えていいだろう。
対抗馬はインドネシア
インドネシアはASEAN(AEC)では人口規模、マーケット規模的に圧倒的な存在。
人口規模からみたマーケットの規模、そして経済成長は大きく期待できる。現在でも今後のアッパーミドルを排出するランキングでは1位に位置しているが、大きなネックとなるのが、多くの島々に分散した人口と構造で地理的に劣勢だろう。
2014年のASEANの株式市場のパフォーマンスを見てみると、タイ、インドネシア、フィリピンが17%から22%と高い成長率を見せている。
シンガポール +5%
マレーシア -6%
タイ +17%
インドネシア +21%
フィリピン +22%
マレーシアは、先のマレーシア機の墜落、そして石油産業を多く持つ関係で、現在の原油安の影響を受けている。また米国の量的緩和規制にも影響を受けた背景がある。
このような全体背景の中でタイがもっとも有利と考えられる。
外国企業を中心とした産業構成は強みであり、現在も多くの外国企業の進出が見られる。
また、産業の中核のひとつの自動車産業は、2014年に前年比を落としたものの依然としして年間250万台近い生産を維持しており、PCのHDDやデジカメ、プリンターなどの世界シェアの上位を占めている。
ASEAN(AEC)の統合後に現在のウィークポイントである労働力問題の改善や、関税の緩和、廃止で広域マーケットの出現から、高い製造業を蓄積するタイ国内の産業は一定以上に有利であることは間違いない。
タイの株式市場の抱えるリスク
タイは昨年5月に起きたプラユット陸軍司令官の軍事クーデターより暫定軍事政権が続いている政治不安、そしてプミポン国王の健康問題が不安視されている。
プミポン国王は現在87歳。昨年の12月5日の誕生日には体調不良を理由に祝賀式典は中止されている。そして翌年の4月2日のシリントン王女の誕生日以来、タイ国内は王女のシンボルカラーのパープル色の一色で現在も王女の肖像画とシンボルカラー一色だ。
現在タイは国王の健康状態によりタイ国内は混乱する可能性もあり、リスクとみられる傾向が高い。
タイ株式市場の狙い目
外国資本企業の多くが集積されるタイは、各企業の業績から、銀行系銘柄が人気。また東西回廊、南北回廊などのインフラ整備が進む中、サイアムセメントなども狙い目。
この他、現在延長工事の進むBTSなども面白い。現在総延長が55Kmがあと5年で150Km前後まで路線延長となるので収益共に期待される。
タイの証券口座を開設してみるのも面白いだろう。