最新金融情報、日本の情報と対応は遅すぎる
最新金融情報、日本の情報と対応は遅すぎる
日本のニュース報道で、初動が遅いなどの問題をよく目にする。
この慣例は今回の年金機構の情報流出の問題の対応や、災害対策や、他国への支援などと多岐にわたるが、最先端の金融などでも同じような傾向が多いようだ。
先日香港で複数の金融機関の担当者、ファンドマネージャーなどと意見を交わす機会があった。
どこも口を揃えて「日本は遅すぎる」「これが香港で資産運用をする資産家の流出に繋がっている」と口を揃えた回答だ。資産の流出は税率だけではない。香港ではそろそろピークが過ぎたと思われる頃に類似商品が、日本の証券会社や投資信託銀行から販売され出す。
日本の各金融機関の商品化、多岐にわたる審議や稟議、金融庁などの審査と、日本の法制度は他国に類を見ない安心感と精度だろう。
これが善し悪しになるケースも垣間見る。
香港やシンガポールの場合は、例えると一定の裁量はファンドマネージャーにあり、顧客との間に存在するのは営業マンのみとなる。商品化というより、ほぼダイレクトなことで、瞬間の動きに対応できるメカニズムがある。これが一般の顧客でも利用できるところが驚くところだ。
この仕組みのおかげで、訪れた複数の証券会社、ファンド、プライベートバンクでは、リーマンショック、世界金融危機で最も顧客の被害が少なかった組織だとそれぞれが自負をする。
その時のチャートも出せるしお見せできると早速PCのチャートを見せてくれが、他社が20%、30%と資産を目減りさせている時期に、5%以内の損失だけだった。
当然顧客もPCの個人アカウントで信託している資本がどのファンドで運用されているか、どの証券でヘッジされてるかをWebで確認でき、自分で運用を止めることも可能だ。
他人本位、他力本願の日本の仕組みと、自己の責任が確率されている香港やシンガポールと日本の大きな違いだろう。
これは金融機関などの組織だけではなく、労使の間でも同じで使用人はいつでも解雇が可能で、雇用者の保護はない。逆を言うと務める側もいい仕事、雇用条件のよい仕事があればいつでも退職が可能だ。会社に残るためには、一定以上の努力や貢献も必要となるし、会社も優秀な社員の雇用を維持するためには一定の福利厚生などの待遇も持つことが重要となる。
難しい法制度や法の保護などを置かなくても、労使間に良い関係をたもち程よい緊張感が生まれている。
国に頼り生きる選択と、自己の責任で生きる選択も必要と感じるこのご時世で、7月に入り出国税が導入された。
香港は海外からの富裕層の流入も増加しているが、逆に生活するには物価も高騰し、住みよい環境は失われつつある。逆に香港を出て他国に移住する香港人も昨年は約3000人だった。
その一部は日本に居住地を選ぶ人々も多い。
制度で縛るのではなく、住みよい環境で国に魅力を持たせるのが先決だろう。