沖縄の離島
こんにちは紺野昌彦です。
今は久しぶりに沖縄に10日間近く滞在しています。今回はふと思った沖縄の観光資源、日本の観光行政についてです。
何度かこのブログでも書いてきましたが、沖縄は世界で一番インバウンドの前年比が伸びているエリアです。
前年比が39%と驚異的な伸びを見せています。
もちろんその背景には、中国メインランド、台湾、香港などと近隣に巨大なマーケットが存在しているのと、それぞれの国とエリアが著しく経済成長している、またアジアでも所得層が高いのが挙げられるでしょう。
また近年では東南アジアいわゆるASEAN諸国も所得も上昇し、LCCなど航空路線の拡充で海外旅行が手軽に行けるようになったことも重なっているのは言うまでもありません。
世界的なクロスバウンドのブームの中、沖縄のインバウンドは過去最高に至っています。
そんな沖縄の一番の売りはやはりなんと言っても海でしょう。
日本人も沖縄で一番最初にイメージするのは、コバルトブルーにか輝くビーチでしょう。
僕も沖縄に拠点を置いてから既に20年近くになりますが、それでも沖縄イコール海という印象は続いています。
先日改めて離島に行ってきました。
慶良間諸島にある阿嘉島です。
慶良間諸島には渡嘉敷島、座間味島、阿嘉島など大小36の島々からなり、うち有人島は5島あります。
この阿嘉島へのアクセスは那覇の中心部にある泊港からフェリーで約90分、高速船で約50分の距離にある手頃に行ける離島ではあります。
僕がはじめて沖縄に住んだ20年ほど前は、夏になるとほぼ毎週阿嘉島か座間味島に足を運んでいたものです。
画像は阿嘉島ですが、ビーチでウミガメが見れるほど自然が残った天然の海岸です。
阿嘉島だけではなく、座間味島、渡嘉敷島など慶良間諸島全般ではこのような自然海岸のビーチがほとんどでしょう。まあ全てと言ってもよいでしょう。
海底のサンゴもシュノーケリング程度でも沖縄屈指のサンゴ礁が見られるのも特徴かもしれません。
ですが残念なのが、このような一番見て欲しい自然海岸は沖縄の離島と沖縄本島の中部、北部など一部のビーチのみ。
北谷町、宜野湾市、那覇市、豊見城市、糸満市などはコンクリートで埋め尽くされた人工ビーチがほとんど。
以下の画像がそんなビーチのひとつです。
このような人工ビーチがほとんど。もちろん遊泳のエリアも制限があり、エリア内にはサンゴ礁などは当然存在しません。
このような人工ビーチが沖縄県中南部にはかなりの数が作られています。
さてさて沖縄県は、そして各地方自治体は、これまで最も世界中から注目されている現在の沖縄を、どのように見てもらい、感じて欲しいのかなと、疑問の感じてしまいました。コンクリート尽くしの自然の無い海岸線ばかりで。
もちろん辺野古の埋め立てや、浦添市の新たな海岸線の埋め立て整備など、議論すればかなり難しい問題にもなるでしょう。
国の立場、国防上の問題、米国との関係などなど。
ですがそんな事ところまで突き詰めないとしても、地方自治体の自然海岸の埋め立てや、取って付けた人工ビーチなど、10年先、30年先の観光地としてのビジョンや行政の計画のあり方に疑問も感じました。
まあまるで統一感がないイメージも。
前述の阿嘉島は初めて足を運んだ20年前とは変わらぬ姿。少しだけ残念なところは、自由に泳げたビーチは、遊泳エリアも厳格化されて、かつてよりライフセイバーが小うるさいところ。
まあ仕方がない事かとは思いますが、このような変わらぬ自然のビーチが沖縄に多く残ること、そして多くの外国人観光客に見て欲しいものと今回は改めて強く感じました。
以下の画像はタイのクラビというビーチリゾートです。自然の景観そのまま残したビーチが売り物でもある東南アジアでも屈指のビーチリゾートです。
当然コンクリート詰めではありません。もちろんこのエリアもジャワ沖地震での津波や、インド洋で発生するサイクロンの影響もあります。台風が来る日本だからということではなく、人間、すなわち観光客が環境に影響を及ぼす事態が起きれば、1年間ビーチへの侵入禁止など保全措置も取られます。
もちろんこれはタイのクラビやピピ島だけではなくフィリピンでも自然再生を意識した措置が取られているのも周知の事実でしょう。
観光産業に大きく依存せざるを得ない沖縄県、そして前年比の観光客の増加率世界一の沖縄県は県そして市町村も今の数倍大きく意識してもらいたいと改めて感じました。
まあ強いて言えば沖縄に僕も住んでいますが、世界に名を連ねる観光地にリゾート地に住んでいるという自覚や認識があまり無いのでしょう。
残念ながら県民がどのような認知であったとしても、増加率世界一であり、世界的にも注目されつつある沖縄であるのは動かぬ事実です。
同じ日本の観光地でも、地域住民がしっかりと観光地であることを認知して取り組む自治体も数多く存在します。
過去にこのブログででも何度か例に上げましたが、飛騨の高山市は20年も前より地域住民が、自分達の地域の観光を切り開いてきています。
熊本県の黒川温泉もそうですし、言い出すとまだまだ数多くあります。
沖縄もこれまで以上に頑張ってもらいたいと願うばかりです。
紺野昌彦