タイ経済はV字回復の兆し
タイ経済はV字回復の兆し
一昨年の政治衝突によるデモ、昨年の軍事クーデターで経済が大きく低迷したタイだが、経済の底打ちは、昨年だったようだ。
2014年の後半頃よりタイ経済の各指数のお打ち直しが観測されつつあるが、2014年の第一四半期は大きく数字が上昇してる。今回のブログはここ数回でのタイの好景気と見て良い指標のまとめ。
昨日のブログでも書いたようにタイ不動産の過剰供給の兆しも指摘される中、経済の底打ち状態でのバンコクでの不動産販売傾向の予測でもあり、同時にバンコクで不動産販売をする事業者は前年同比22%の報道もある。
タイでの同時期の経済指数と今年の予測を総合すると、一定以上の回復となっている。
産経系Webサイトでは、観光、国境貿易で持ち直し タイ経済、7~9月期の拡大予測との記事を出しているが、タイ政府観光庁の予測でも同様にタイの今期のインバウンド数は2800万人に達すると見込み。その中でもタイへの中国からの観光客の増加数は目を見張るものがある。
2013年が120万人台だったのが、2015年予測は560万人。この増加はタイの観光経済を支えるに値する増加だろう。
これ以外に大きのが、外国企業からの直接投資額の増加がある。
タイ投資委員会(BOI)によると2015年の1~3月期の投資恩典申請額(BOIを申請して事業進出した場合、資本金比率や労働ビザなど一定の制限解除が認められる)は、申請件数が793件で額面規模では、2175億6000万バーツ(約7745億円)に達し、前年同期の346億5000万バーツから約6倍に拡大した。
詳しくは過去ブログ参照,http://konnomasahiko.com/id/2763#sthash.46FLvxmL.dpuf
企業の進出数の3ヶ月間の統計が約800社近いのは非常に大きい。
日系企業で見てみると、中規模向上でも500から1000人前後のタイ人の雇用となり、大規模になると2000人以上となる。もちろんこれ以外に小規模、零細なども含まれるだろうが、一定数の雇用拡大が見込めるのと、タイ国内は既に労働力不足がウィークポイントとなっているので、隣国からの労働力流入にも期待がある。
タイは近隣諸国からの労働力確保のために簡易で労働許可を出せる仕組みがある。このように多くの外国人労働力の流入は住宅需要の増や、消費の拡大にもつながり、タイ国内の経済の活性化に貢献するだろう。
バンコクのコンドミニアムの販売傾向は、実需が30%ほどに落ち込む予測指数もあるが、このような環境の中、バンコク都内のローカル向けの安価な賃貸物件が流入人口により需要が伸びれば、一定のクラスのコンドミニアムまでタイの中間所得層はボトムアップが期待できる。
今年の第一四半期の経済指数はまだ出たばかり。今後の各指数の推移に期待したい。