台湾の今後の動向を考察する。台湾は独立するか?

こんにちは紺野昌彦です。

台湾では前回の総選挙後前後、政権は交代し「蔡」政権が発足しています。

蔡政権は皆さんもご存知のとおり、蔡 英文(さい えいぶん、ツァイ・インウェン)台湾の第14代の総統となった人です。

2016年1月16日に実施された選挙は、台湾(中華民国)の総統と副総統を選出するためのもので、第九回中華民国立法委員選挙も同日実施されました。史上二度目の総統選挙と立法委員選挙のダブル選挙は台湾で最も熱い一日でもあり、メインランド中国でも政治的に注目を集める選挙でした。

実はお隣の台湾では、普通選挙の歴史は浅く、1996年からスタートしました。これまでは台湾も軍事政権で、台湾住民による直接選挙方式はありませんでした。このように1996年以降、総統選挙が4年ごとに実施されています。

今回の選挙の投票率は投票率, 66.27%で 前回2012年の投票率は74%と、政権交代した割には大きく下回りました。
理由としては台湾メディアの記事では国民党支持層の高い地域の得票率の低下が要因のようです。 このように投票率が低い状況では本来は組織力、組織票を持つ候補者の方が事実上有利なのですが、国民党の支持基盤の低迷と、支持離れが今回の投票率の低い中での政権交代への現れだったのかもしれません。

ですが台湾の経済界は親中国と言われていますが、昨日面白い記事が出ていました。
ヤフーニュース記事⇒

中国大陸との関係、過半数が現状維持派 20代の6割超が「最終的には独立」=台湾民間調査

台湾アイデンティティの変化

私も毎月のように台湾へは足を運んでいるのですが、台湾アイデンティティの台頭を最近よく感じます。
中国人ではなく、台湾人である意識の向上が年々高まるのを顕著に感じることができたここ数年の台湾でした。

これは中国の経済台頭と比例する形での上昇と考えてよいかと思われます。
そもそも台湾に住む中国語を母国語とする台湾人は元をたどれば中国大陸にルーツを持つ人が大半を占めます。
元来の台湾住民は台湾の少数民族でもあるアミ族約17万人、パイワン族約8万4千人、タイヤル族8万2千人などの先住民(原住民)となります。 約2300万人の台湾人口の中で殆どを占める割合は、中華系(大陸ルーツ)が圧倒的な多数を占める中で、中国人ではなく、台湾人という意識の高まり、台湾アイデンティティの台頭は大きく目を見張るものがありました。

この大陸にルーツを持つ台湾人でも第二次世界大戦戦後に蒋介石の国民党と台湾に渡って来た近世グループと、それ以前明朝、清朝時代に渡って来たグループと大きく分けるとこのような差があるのかのように感じました。国民党と一緒に中国共産党に敗北して台湾に来たグループこそ中国人意識の最核のグループで、何世代も過ごしたそれ以前の中国人は台湾人としての意識が強かったのかもしれません。

このようなベースでさらに年齢別で近年に近づくにつれこの台湾人意識が高まるのですが、これは先に述べたように中国の市場開放後、中国経済の上昇、中国の国力の向上に連れて並行して高まって来ています。

そもそも80年代、90年代の初頭までは経済的優位、生活水準共に、台湾は中国大陸よりも高く、台湾経済は一定の安定成長を見せていました。

それが近年の中国の経済成長で台湾の優位差は失われ、GDPで世界第二位になった中国に経済的に飲み込まれかねない状況になっています。
また同時に中国国民の台湾渡航の自由化などにより、台湾へ渡航する中国人の増加は、年々増加し、2012年の約250万人が2015年には480万人にまで増加し、中国人の国際リテラシーの低さ(モラルの低さ)が同時に同じ中国人として、先進モラルの台湾人には受け入れらなかったのも背景にはあるでしょう。

以下は台湾人の意識の移り変わりを示した数字です。

2000年の行政院大陸委員会による民族帰属意識についての調査。

台湾人であり、中国人ではない=42.5% 台湾人であり、中国人でもある=38.5% 中国人であり、台湾人ではない=13.6%

2007年の海基会による民族帰属意識についての調査。

台湾人であり、中国人ではない=62.5% 台湾人であり、中国人でもある=17.7% 中国人であり、台湾人ではない=14.0%

2008年6月のTVBS世論による民族帰属意識についての調査。

台湾人であり、中国人ではない=45% 台湾人であり、中国人でもある=45% 中国人であり、台湾人ではない=4%

同世論調査では、台湾人と中国人から一つを選ぶと

台湾人=68% 中国人=18%

2009年12月16日の天下雑誌による民族帰属意識調査では、

台湾人であり、中国人ではない=62% 台湾人であり、中国人でもある=22% 中国人であり、台湾人ではない=8%

李登輝総統の8年間の任期期間中に台湾人意識増加=22.4%、一年の平均増加=2.8%

陳水扁総統の8年間の任期期間中に台湾人意識増加=5%、一年の平均増加=0.625%

馬英九総統の2年間の任期期間中に台湾人意識増加=7.4%、一年の平均増加=3.7%

この数字は中国経済の台頭と台湾住民(国民)の情報リテラシーの上昇と共に上がっています。特に近年での上昇率は大きくなっています。

このように台湾人意識のアイデンティティの上昇が今回の選挙の背景には大きくつながっています。

中国の暴走に警戒心

南沙諸島の埋め立て問題やアジア各国の軋轢や、香港への自由選挙の介入と、昨年の香港アンブレラ革命などによる、中国政府の圧力、そして香港での民主活動家の行方不明事件など、言論の自由に対する中国政府の圧力に対する反動も今回の選挙での結果の背景でしょう。

ただ中国経済は現在陰りを見せています。 現在の中国はかつての経済成長力は衰えを見せてますが、これに反比例して、自由に対するもの、また主権に関する隣国の態度は大きく東アジアの
安全保障にも影響する可能性もあります。 この中国との関係は今後の大きな注目点でもあるでしょう。

香港との経済構造、資産形成の違い

台湾の民意の中で、特筆する点があります。 台湾の世論調査の中で独立主権を守るためには戦争という手段をも止むを得ないという結果が各調査で出ています。

私の友人の台湾人にヒアリングしても、自由経済の中で形成された台湾人の主権や財産が中国へ併合また統一され失うことを選択する台湾人はいないと言っていました。

元イギリス領の香港は中国からの租借地であったので、99年と75年の定期借地権でしか土地を持てません。要するに国から土地は借りるだけで、厳密には個人資産ではありません。
これと比較すると台湾では基本的に自由に土地を個人で所有することのできる国(地域)です。
この財産、資産に対する意識の差は国民の意識、民意にも大きく影響しているのでしょう。固定資産の概念の高い台湾と流動資産の意識の高い香港の違いでしょう。

紺野昌彦

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1 Response

  1. aki より:

    紺のさん、hkで国際会社法が施行されて、折角_お金掛けて第2step迄は終了。
    最後の第3、マスのトコで!!!この法改正によりー機密事項を、あらかじめ登録する旨ー定めています。

    マス持つ意味がZeroになります。どうしたら良いのかーご意見を!!!
    秋満

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