きな臭い極東アジアと香港
こんにちは紺野昌彦です。
日本のインバウンドは増加して、これから東京五輪や、大阪万博、IRなどが控え、お隣では北京冬季五輪などもあり、アジア圏では経済効果の高いイベントが目白押しではありますが、ここ数ヶ月でやや雲行き怪しい気配があることも否めません。
原則ポジティブな投稿をメインに心がけていますが、今回はアジアにかかる影の部分について書いてみたいと思います。
僕のホームグラウンドのひとつの香港ですが、連日デモの報道で目が話せない状況が続いています。
香港に居住する日本人の友人からのリアルな状況を聞いたり、また香港人の友人からの情報と解説、そして中華系の大手企業からの情報などその情報ソースは様々です。
僕が役員を務める会社のひとつは香港のお隣、中国の深センにありますが、その深センには中国の武装警察や人民解放軍が香港と深センの境に集結しています。この話しを始めて聞いたのは6月下旬から7月の上旬ですが、ここ数日の報道では、これら武装警察などの装甲車両群の映像までもがニュースにリリースされています。
もちろん香港のデモ群衆に警告を発する為の中国の威圧行為であればよいのですが、ここ数週間がある意味では真実を知る山でもあるでしょう。
一説では中国がデモを煽り、中国が軍事介入ができる状況を画策して作りつつあるとの話しも。
また逆説では以前から中国では香港不要論もあり、今回の香港のデモの長期化で、そのトーンも中国国内では拡大しているとの話しもあります。
事実中国ではお隣の深センを中心に新たな自由経済圏を形成する動きも実際に動いてもいます。このように香港を中国の政治的体制に組み込むのではなく、香港の経済的地位を失墜させる目的であるとの見方もあります。
思惑は空想や噂の域でしかありませんが、おそらくそう簡単に中国も香港に軍事介入しにくい状況であることも否めません。
現在、米国と中国との経済紛争も解決の糸口も見えず、今回の香港のデモ動乱に対して、中国メインランドが介入することは、米国のトランプ大統領に恰好の口述を与えてしまう事も恐れているでしょうし、まだ米国の中国への制裁に同調していない他の先進国にも、批判そして強いては中国に対して経済制裁の協調としての波及を懸念している背景もあるでしょう。
ロシアのクリミア問題の時のように。
こうなると、なんとか維持している中国経済に大きく影を落とすのは必定でしょう。
現時点では米国との経済紛争は、多少は影響はあるものの、まだ大きく中国経済に影響が出ているわけではありませんが、これが拡大するとジャブ以上の大きい経済ダメージになりかねません。
ただ中国は面子の国であるので、自国の内政問題として他国への影響は意に返さず強行することも十分に念頭に置いておく必要もあるでしょう。
中国の中華思想
↑↑↑これは以前に書いた中国の思想の根源にある中国思想です。中国に対して共産党や中共などと表現、また思い込んでいる人も多いようですが、占める思想は共産主義ではなくこの中華思想です。参考までに。
さて中国は台湾との関係も悪化させています。
先月7月に中国政府は台湾に中国人が渡航する制限をかけて、台湾に対してこれまで以上に経済的な圧力をかけつつあります。
そもそも台湾と中国は理念も政治的な立場も違い、相まみえることは中々難しい問題がありますが、前述の香港の問題といい、これまでの中国の立場を継続して取り続けると、中国は命取り兼ねない薄氷が張りつつあるようにも見て取れます。
そのような台中関係の悪化する中、米国は台湾に対して2017年から巨額の武器納入を実施しており、最新兵器を供与する事も今年6月に合意し、M1A2エイブラムス100両オーバーと、また地対空ミサイルのスティンガーを250発の供与しています。これらで中国からの反発も招いているのも中国から台湾への渡航制限をかけた背景のひとつです。韓国の時と同様でしょう。
続いて我が国日本とお隣の韓国の関係もここ50年で最も最悪と言われる事態に陥っています。
日本との歴史的な問題と、更には軍事的な問題(レーザー照射)、韓国の文大統領の不可解な態度など、懸念事項が多く、解決にはおそらく相当時間がかかるでしょう。
元々韓国経済にはファンダメンタル的にやや行き詰まる感もあった上、米国との終末高高度防衛ミサイルの共同防衛では、中国の反感を買い同国からの団体旅行を制限される経済措置を受けて、大きく韓国経済に影を落としたのは記憶に新しい出来事です。
そのように決して国際的に強い通貨でもなく、経済規模でもないにも関わらず、日本の発動した経済制裁で韓国ウォンのレートは早速ガタ落ちです。
日本の経済制裁で半導体に関係する3品目の事実上の輸出制限での制裁で韓国は、自国の輸出経済で最も韓国に貢献している半導体の製造と輸出に影を落とす結果となります。
チャートでの反応はまさにそれでしょう。
またサムソン電子の半導体は、お隣中国の通信メーカーのファーウェイもトップクラスの取引相手でもあり、中国が大きな貿易相手国。同時にファーウェイも米国からの制裁措置でダメージがあるのは否めません。
また中国の経済の減退は同時に韓国経済にもさらなる影響を及ぼすでしょう。
中国の取り巻く環境、そして米国と中国の経済紛争は故意にか、はたまた偶然かは別議論に譲るとしても、一歩間違えると日本にも大きく影響を及ぼす事態にもなるでしょう。
今日本の周りで起きているこのような事に対する火種は、元々周知の事実です。
兼ねてより当然のように日本を取り巻く不安材料として、日本人の目の前に転がっていたのです。
ですが果たして1年、2年前にはこのように同時多発的に急激な状況変化がアジア圏で拡大する事は想像出来たでしょうか?
既に韓国の訪日アウトバウンドには影響として現れています。既に直近では前年比30%減とか。
また香港のデモの激化はこれから香港経済にも数値として大きく現れるでしょう。当然これらの訪日アウトバウンドに数字にも大きく反映されるかもしれません。
また中国の台湾に対する渡航制限などの措置も、台湾経済に大きく影を落とし、それは日本へのインバウンドにも数値として現れるでしょう。
韓国に関しては、対日報復措置を発動すると息巻いていますが、来年の韓国の大統領選挙に対するパフォーマンスか、実際に何らかの措置を講ずるのかにより激化か緩和かもまだ見えません。
ですが韓国政府が世論を操作している反日運動は、さらなる韓国経済の悪化に繋がるのは間違いないでしょう。既に韓国系エアラインは日本に対するフライトを40%ほど減便しており、更には渡航客の減少してフライトの価格は韓国日本の往復で数千円という始末。全く採算取れない状況で韓国の航空業界の経営が耐えれるのかが気になるところです。
これら以外にも今回の中国の香港、台湾に対する措置も強行姿勢が続くもしくは激化すれば、米国の間接的な介入が考えられます。
一番恐ろしい事態はここでしょう。
この周辺の軍事的緊張が発生するということは日本への経済的なダメージは回避出来ないでしょう。
1995年から96年の台湾海峡危機では、中国と台湾の軍事的摩擦で米国の第7艦隊が台湾近海にまで出動する事態になったのですが、近海に軍事力を動かす。これだけで当時の沖縄の観光客は大幅に減少し、沖縄県での企業の倒産件数は過去最大だった事態でしたが、今回は日本のインバウンド産業全体に大きく降りかかることが最も懸念する材料かもしれません。今はインバウンド需要に大きく支えられている状況でもありますから。。
あくまでも韓国からの経済部分での日本への対抗措置で根本的なダメージを日本が受けることは少ないでしょう。ただし韓国がインバウンドでは中国に次いで2番目に位置するアウトバウンド先であるのは否めません。また台湾と香港も低下することは十分にあります。これらは中国とそれぞれの地域との問題で、日本が受ける間接的な影響は大きいでしょう。
今年7月に発表されたインバウンド指数では、中国からは前年比同月(5月)で+13%となかなかの伸び率を見せているのですが、韓国からは−5.8%、香港からは−0.8、台湾からは−3.1%と出ています。
これからの3ヶ月の数字に注目してたいところです。
ですがこれに反してベトナムなどは前年比+41%と大幅な伸び率を見せているものの、元々の数字が前述の国々とは比較にならないところも。ちなみ2017年で年間で80万人。韓国は今年の5月で単月で60万人。
良い子の皆さんにはここにはどこかの思惑が多いにあり、どこかの国だけが得をしているのもご理解頂けたでしょう。
アメリカも大統領選挙を控えていますからね。。
そんな中でもビジネスチャンスもあり、資産の分散で効果のある事もありマイナスだらけという事でもありません。
ちなみ僕の資産が集中するタイは空前のバーツ高で1バーツが3.5円と大きく跳ねています。
タイ経済には優しくない数字でもありますが、タイにある資産の時価総額が上がっているのは事実でもあります。
また僕の収入は、タイ、香港、中国、日本などと数カ国に跨いでおり、1カ国に集中もしていません。
皆さんも色々とリスクを分散することもおすすめ致します。
紺野昌彦