アジアインフラ投資銀行、AIIB(Asian Infrastructure Investment Bank, )とは
アジアインフラ投資銀行、AIIB(Asian Infrastructure Investment Bank, )とは
アジアインフラ投資銀行の設立協定が2015年6月29日に北京で行われた。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、中国の主導で創設中の国際金融機関で、今後成長の見込まれる東南アジアを中心としたエリアの開発、インフラ整備に出資するのを目的にしている。
現在のアジアの経済成長はアジア開発銀行(ADB)の資本では賄い切れていないのもの実情だが、アジア開発銀行(ADB)では中国の発言権が薄く、今後成長するASEAN(AEC)をはじめ、アジア全体に中国の影響力、発言力を高めるのも目的と言われている。
アジアインフラ投資銀行は2013年に中国の国家主席習近平が創設を提唱したのがスタートだが、現時点では資本金は計約500億ドル(約6兆円)規模で、中国が最大の出資国となって年内に設立する計画だが、資本金は2015年7月現在で1000億ドルとなっている。北京に本部を置き、初代総裁も中国が出す可能性が高い。
アジア開発銀行(ADB)は今後10~20年にアジアで計約8兆ドルのインフラ投資が必要になると試算しているが、アジア開発銀行(ADB)の14年の融資額は約131億ドルで、急成長中のASEAN(AEC)の旺盛な需要に応えきれないのも実情だ。ちなみにアジア開発銀行(ADB)の総資本額は約1500億ドルでアメリカと日本が主導の国際金融機関。
今やASEAN(AEC)ならびにアジアの新興国は経済のフロントラインだけでなく、米、中、日などの影響力を維持、増大を狙った経済戦争のフロントラインでもある。
中国主導でつくられるこのアジアインフラ投資銀行(AIIB)の「創始メンバー国」はこの4月に、57カ国で確定した。この中にはアメリカ、日本は含まれない。
今後の焦点は、国際社会の中国への懸念を打ち消しつつ、地域経済に貢献する新銀行になれるかに移るが中国への懸念は多い。
そんな懸念を意識した「透明なやり方で幹部を選ぶ。総裁は銀行が成立してから理事会で任命する」中国の史燿斌財務次官は15日、総裁を中国が既に決めているのでは、という懸念を払拭するために報道に反論したている。
現在までに出資加盟を表明し、確定している57カ国はにアジアインフラ投資銀行での、中国の発言力が大きくなりすぎる、との不安があり、4月の段階では6月末までの設立協定を巡る話し合いうこととなっていた。そして6月29日の設立協定では、資本金額は当初の500億ドルから1000億ドルまで増加し、中国の出資額は297億ドルと最大となった。資本金の一部はまだ割り当てが決まっていないため、中国の出資比率は事実上30.34%となり圧倒的なポジションとなった。2位が8%のインド、3位はロシアも6%。
アジアインフラ投資銀行への日本の対応
現時点では原則日本は参加しない。
日本政府は、組織運営が不透明であることなどを理由に参加に慎重な姿勢を崩していない。環境破壊につながる事業に融資する心配や。アジア開発銀行(ADB)を主導する立場でもあり、日本やアメリカには、アジアでの自らの影響力が低下するといった懸念が高い。
懸念材料は、主導的立場の日本、アメリカとは裏腹に、先進7カ国のうち、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの5カ国が出資を確定たことだ。これらの国々が表明した翌日の為替相場では中国元が初の1元=20円台になった。
日本の経団連は、政府内の議論を見守る姿勢を示しながらも、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加しないことで企業のインフラ輸出に悪影響が出ないような配慮が必要だと訴えてる。今後中国の各国への経済影響は高まる。今後、日本企業から参加を求める声が強まれば、政府内の議論にも影響を与える可能性も高い。
このブログで紹介する中国マネーが与える東アジア、東南アジアへの経済影響は大きい。日本に関してもビジットジャパンの効果でもあるが、事実上富を得た中国人の消費力とインバウンドは確実に取り込む必要があるマーケットだ。
アジアインフラ投資銀行の今後に注目したい。
アジア開発銀行 | アジアインフラ投資銀行 | |
設立 | 1966年 | 2015年 |
加盟 | 67カ国 | 57カ国 |
資本金 | 1531億ドル | 1000億ドル(割り当て) |
本部 | フィリピン・マニラ | 中国・北京 |
主導 | アメリカ・日本 | 中国 |
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