香港から台湾への移住が増加

香港から台湾への移住が増加

先日UPしたブログ記事で、香港の投資ビザの明確化や永住権取得までの方法が簡略化されたことを紹介したが、一定のハードル緩和は香港の住民の流出にも要因がありそうだ。
現在香港への永住権の発行はやや高き門となっていたが、投資ビザからの段階取得は緩和されている。
それと並行して、昨年香港から台湾への移住者の数が約7000人と過去最高数となりトップで、二位がオーストラリアへの移住で3000人と香港から1万人の人口が流出している。このような人口流出への対応策の1つが、段階取得の緩和だろう。

香港の人口流出の要因は、香港内の不動産や物価の高騰や、中国共産党支配下による政治的リスクがツートップの理由だろう。
2010年の香港からの台湾移住者は年間1,305人だったのに対し、2014年は5.7倍の7,498人と右肩上がりに増加している状況だ。
イギリスからの香港返還から香港は人口増加(中国からの移住人口)とそれに伴う不動産価格の上昇と、生活物価の上昇が大きい。今や平均的な一般家庭では、マイホームの取得も難しい状況で、同じ中国語圏で、生活物価も安価な台湾が選択されているのだろう。

現在香港の大卒初任給は、日本円で約15万円から18万円と日本の地方都市水準だが、生活物価は東京以上に高いのが印象的だ。
30代のホワイトカラーだと、日本円で月給30万円以上も珍しくないが、この水準だと香港ではマイホームの購入は難しい。‏

‏これ以外でも政治的リスクで「普通選挙制度を訴えたアンブレラ革命を見て香‏港に自由があるとは思えなくなった。」「香港政府は香港市民の訴えを聞いてくれない。」という声も多く見られる。
中国の政治的な圧力も自由都市香港の住民に揺さぶりをかけている。

香港経済のメカニズムは、中国経済の富の流入に大きく依存していることには変わりはない。これは台湾でも同じで、ここ数年の台湾への中国メインランドからのインバウンド数は増加の一途だ。
イギリス領からの返還香港、政治的空間の狭間に生まれた台湾の違いは大きいが、一国内に2つの制度と国家となっている現状が同変化するのかは、今後の日本にも何らなの影響を及ぼしそうにも感じる。

香港から台湾への移住者数

香港から台湾への移住者数

 

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